
『穀雨』
四月二十日頃は、二十四節気でいう『穀雨(こくう)』の頃です。
『春雨降りて百穀を生化すれば也』と、暦便覧には記載があります。
穀雨とは、百穀に降り注ぎ、潤す春雨のこと。
準備が整い待ち望む雨を迎える田畑では、穀物の成長が始まります。
田畑の穀物にとって、まさに恵みの雨。
せっかくなので、春にちなんだ美しい言葉を、幾つか。
『春雨と、春雷』
春雨は、春に地に降り注ぐ優しい雨の印象。一方、春には
春雷という言葉もある通り、春先に雹を伴う雷雨もまた見られることもあります。優しい雨ばかりが降るわけではない、そういった光景が度々見られます。
けれども寒く長く厳しい季節を乗り越えてきた多くの命が、
春という季節の到来を歓喜しているかのようであることは、確か。
海の色も姿を変え、美しい花々もまた目を楽しませてくれます。
また、一方で春にある様々な言葉の中には、愁いを感じさせるものも。
『春愁』
これは新しい生命が生まれ、世界が明るい光に輝くようなそんな春という季節にも、かえって物悲しくなること。
そのことを、春愁、春の憂い、といいます。
春の夢、春の夜の夢は、短くて儚いもののたとえ。
光と影が切っては切り離せないように、
明るく生命力を感じさせる春という季節だからこそ、どこかで、儚さも感じさせるのかもしれません。
『穀雨』の載る暦一覧とは、1788年に発行された二十四節気の説明を記した本のこと。
以下、二十四節気についてわかりやすくまとめてみました。
五日を一侯。
三侯は一気。(15日をひとつの区切りとして、一気という)
一月は二気六侯(二気も、六侯も、どちらも30日のこと)
一季は三月(それぞれの季節は、3月ずつで分けられる)
一年は四季(四つの季節。春夏秋冬)
となっております。
一侯や一気等、今ご紹介させていただいたものがなじみがあまりなくとも、
二十四節気、という言葉は、きっと皆さまご存知だと思います。
一年を二十四つに分けたもの(15日ずつで分けたもの)、それが二十四節気です。
二十四節気は、
四つの季節、春・夏・秋・冬、それぞれの季節を六気ずつに分けられ、以下のように名がついております。
『春』
初春/立春(りっしゅん)・雨水(うすい)。仲春/啓蟄(けいちつ)・春分(しゅんぶん)。晩春/清明(せいめい)・穀雨(こくう)。
『夏』
初夏/立夏(りっか)・小満(しょうまん)。仲夏/芒種(ぼうしゅ)・夏至(げし)。晩夏(ばんか)/小暑(しょうしょ)・大暑(たいしょ)。
『秋』
初秋/立秋(りっしゅう)・処暑(しょしょ)。仲秋(ちゅうしゅう)/白露(はくろ)・秋分(しゅうぶん)。晩秋(ばんしゅう)/寒露(かんろ)・霜降(そうこう)
『冬』
初冬/立冬(りっとう)・小雪(しょうせつ)。仲冬/大雪(たいせつ)・冬至(とうじ)。晩冬/小寒(しょうかん)、大寒(だいかん)。
この言の葉の風では、それぞれの節気について、その都度ご紹介させていただきますね。
ご覧いただき、ありがとうございました!
/PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像
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