
五月二十一日頃は、二十四節気でいう、『小満(しょうまん)』の頃です。
暦便覧には、『万物えい満すれば草木枝葉繁る』とあり、
万物は、しだいに長じて、天地に満ち始めるということを意味します。
梅雨の話題が上る頃であり、たくさんの雨が大地の恵みとなり、
作物や生き物が生き生きとした姿を見せてくれる時。
生い茂る草木の枝葉、
それらを語る時、育つ植物らと切り離せない存在である、雨。
南の土地では梅雨入りの声が聞こえ始め、
人々が自分たちの暮らす場所では梅雨入りがいつになるか、
気になりだします。
本格的な雨の季節はもう少し先ですが、
雨に関わる綺麗な日本語を挙げてみますね。
『袖傘雨(そでかさあめ)』
袖を傘代わりにかざして雨をしのぐ、小降りの雨のこと。
慌ただしさなどなく、腕を上げるしぐさ、袖が小雨を遮る様が、
どこか品を感じさせますよね。
梅雨の前に少し降る雨は、『ひと湿り』。
『零雨』『小糠雨』『涙雨』『疎雨(そう)』『糸雨(しう)』『微雨(びう)』『朦雨(もうう)』
これらは、すべて『ひと湿り』の別名です。
ひとつひとつの美しい呼び名からは、
四季の変化に敏感で、自然に優しいまなざしを注いだ先人たちの、
そんな心が伝わってくるようです。
梅雨というとじめじめして嫌だな…
早く終わって~~💦
と、憂鬱になってしまうこともありますが、
雨が緑に透明の粒を散らすさまなど、
探せば綺麗な景色は多々見つけられます。
他にも雨に纏わる美しい言葉を。
『翠雨(すいう)』
翠雨。または緑雨(りょくう)とも。濡れそぼる青葉の色は、景色を淡く彩ります。
翠嵐(すいらん)は、樹木の緑が滲むような山気を意味する言葉、だそうです。
そして、この小満の頃に見られる、控えめで可憐な花のことを。
『君影草(きみかげそう)』
白い小さな花が連なる…といえば、思い浮かぶ人もいるでしょうか。
これは鈴蘭の別名です。
淡く良い香りを漂わせる可憐な白い花なのですが、
日本では、昔はあまり良いことは言われなかったそう。
なんでもこの花の群生地は不毛だ、なんて。
不名誉なことを言われてしまっていたからだそうです。
君影草という呼び名はどこから来たのかな~と思いましたが、
うつむいて可愛い花を咲かせる鈴蘭、
その姿が、男性の一歩歩く、しとやかな古き日本女性を思わせて、
控えめでおとなしくて、かつ可憐な印象を持つ別名が生まれたのかもしれませんね。
昔不名誉なことを言われていたというのは意外ですが、
今は人気の花ですよね。
花言葉は『再び幸せが訪れる』と、『純粋』なのだそうです。
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